赤穂義士・堀部安兵衛の自筆遺書再発見「命がけの覚悟」
2024年11月26日
赤穂義士四十七士の一人、堀部安兵衛武庸(1670ー1703)が吉良邸討ち入りを前に親族に宛てた書状で、長年所在不明だった自筆遺書が見つかった。豊岡市立歴史博物館(同市日高町祢布808)で12月1日(日)から一般公開される。
同館によると、書状(縦17・2センチ、横171センチ)は従弟の河村忠右衛門など親族10人に宛て、主君・浅野内匠頭の刃傷事件から討ち入りに至る経緯を簡潔に伝える内容。討ち入り前月の「十一月廿日」の日付がある。1931年に刊行された『赤穂義士史料』に「堀部武庸書状」として収録され、当時の所蔵者が死去した以降に所在がわからなくなっていた。今年6月、書状を入手した豊岡市内の郷土史料研究者からの依頼で同館が調査。赤穂大石神社非常勤学芸員の佐藤誠氏(52)の協力で「堀部武庸書状」だとわかった。
書状には、大石内蔵助らと話し合った上で「命がけの覚悟を決めた」と仇討ちの決意を示しながらも、「大学(内匠頭の弟)の安否が分からないうちに、目的を遂げようとすることは、大学のためにならないと、内匠の一門中から次々に言われ(中略)致し方なく離散いたしました」と大学への配慮から実行を一旦見送った経緯を記述。その後、「大学の閉門が解かれ、芸州広島へ引越されるはず」との知らせを受けたとし、「この上は何の気がかりも無くなり、かねてからの目的の実行を促す」と記している。「自分が死んだ後、(この書状を)河村忠右衛門殿まで届けてもらうつもり」「以後は、敢えて音信を絶ちます」ともあり、討ち入りへの不退転の覚悟と決意がうかがえる。
豊岡市文化財室の石原由美子・史料調査員(63)によれば、書状は小型の木箱に収められ、安兵衛が赤穂藩家臣・堀部弥兵衛と養子縁組した経緯を自ら書き記した書付(養子一件書付)も一緒に入っていた。佐藤氏は「文書が再発見されたことは大変意義がある。また、遺書と併せて安兵衛の『養子一件』の原本が見つかったことは、彼の親類や、養子に至った経緯を再確認することができるという意味でも大きな意義がある」としている。
堀部武庸書状の一般公開は12月17日(火)まで同館無料スペース(総合学習室)で午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。水曜休館。Tel0796・42・6111。
長年の所在不明を経て再発見された堀部安兵衛の自筆遺書=豊岡市文化財室提供
同館によると、書状(縦17・2センチ、横171センチ)は従弟の河村忠右衛門など親族10人に宛て、主君・浅野内匠頭の刃傷事件から討ち入りに至る経緯を簡潔に伝える内容。討ち入り前月の「十一月廿日」の日付がある。1931年に刊行された『赤穂義士史料』に「堀部武庸書状」として収録され、当時の所蔵者が死去した以降に所在がわからなくなっていた。今年6月、書状を入手した豊岡市内の郷土史料研究者からの依頼で同館が調査。赤穂大石神社非常勤学芸員の佐藤誠氏(52)の協力で「堀部武庸書状」だとわかった。
書状には、大石内蔵助らと話し合った上で「命がけの覚悟を決めた」と仇討ちの決意を示しながらも、「大学(内匠頭の弟)の安否が分からないうちに、目的を遂げようとすることは、大学のためにならないと、内匠の一門中から次々に言われ(中略)致し方なく離散いたしました」と大学への配慮から実行を一旦見送った経緯を記述。その後、「大学の閉門が解かれ、芸州広島へ引越されるはず」との知らせを受けたとし、「この上は何の気がかりも無くなり、かねてからの目的の実行を促す」と記している。「自分が死んだ後、(この書状を)河村忠右衛門殿まで届けてもらうつもり」「以後は、敢えて音信を絶ちます」ともあり、討ち入りへの不退転の覚悟と決意がうかがえる。
豊岡市文化財室の石原由美子・史料調査員(63)によれば、書状は小型の木箱に収められ、安兵衛が赤穂藩家臣・堀部弥兵衛と養子縁組した経緯を自ら書き記した書付(養子一件書付)も一緒に入っていた。佐藤氏は「文書が再発見されたことは大変意義がある。また、遺書と併せて安兵衛の『養子一件』の原本が見つかったことは、彼の親類や、養子に至った経緯を再確認することができるという意味でも大きな意義がある」としている。
堀部武庸書状の一般公開は12月17日(火)まで同館無料スペース(総合学習室)で午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。水曜休館。Tel0796・42・6111。
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