「私は医療過誤被害者の親族です」 『脳外科医 竹田くん』作者が声明
2025年02月06日
医療事故を繰り返す医師と隠蔽する病院の内情を描いたウェブ漫画『脳外科医 竹田くん』が、赤穂市民病院で起きた医療過誤の被害者親族によって描かれたことが5日に明かされた。

作者は自身の立場を明かした上で、漫画を制作した動機を、「医療事故が闇に葬られていくプロセスを克明に描くことで、救済を受けることもなく苦しんでいる人々が数多く存在しているという社会問題に目を向けていただきたかった」と語っている。
作者がネットで発表した「声明文」によると、作者は2020年1月22日に赤穂市民病院の脳神経外科手術で発生した医療過誤により、重度の後遺障害を負わされた被害患者の親族。「一連の医療事故や脳神経外科の内情について、当事者や関係者の方々から直接、あるいは間接的に情報を取得することができる立場」にあったという。
声明では漫画を制作した動機について、「一連の医療事故の真相が究明されないまま事件の記憶が風化すれば、また新たな犠牲者が生まれてしまうのではないか、といった強い危機感」「医療事故が闇に葬られていくプロセスを克明に描くことで、救済を受けることもなく苦しんでいる人々が数多く存在しているという社会問題に目を向けていただきたかった」などと説明。「手術に立ち会った医療従事者を含む複数の関係者から長期間にわたる聴き取りを行った内容」を参考にストーリーを進めたという。
また、「読者にわかりやすく伝えるために設定を単純化したり、比喩的表現を用いることはあった」と漫画自体はフィクションであるとした一方、「実際の医療事故を重く見せる目的での誇張や改変、特定の人物を殊更に悪者に仕立て上げるなどといった悪意のある脚色や誇張は一切行っておりません」と核心部分は事実に即した内容であることを強調している。
この漫画は2023年1月からインターネット上で掲載が始まり、同年7月までに142話が発表された。「赤池市」という架空の町の市民病院を舞台に、未熟な手技で立て続けに重大医療事故を起こすフリーの医師「竹田」と適切に監督指導できない上級医や医療安全部門、事故を公表しない病院などを風刺的に描いている。物語の中で描かれている医療事故の概要は、赤穂市民病院で2019年以降発生した医療事故と酷似しており、誰が描いたものなのか明かされてはいなかったものの、読者の間では「漫画のモデルは赤穂市民病院」「作者は内情に詳しい関係者に違いない」と見られていた。
一連の医療事故をめぐっては、神戸地検姫路支部が昨年12月、関わった医師を業務上過失傷害罪で起訴。作者は自らの立場を明かした理由について「さらに漫画に関心が寄せられる中、制作の意図などについて事実と異なる憶測が生じることがないよう、漫画作者としての思いを読者の皆さまにご説明させていただきたいという考えに至りました」と述べた。
作者によると、「発信者情報開示請求」によって昨年7月には氏名と住所が当該医師に開示されたといい、「今後、一連の医療事故に関わった医師から、漫画の表現について刑事告訴や訴訟提起が行われることがあったとしても、堂々と公益性を主張し、粛々と対応してまいりたいと考えております」としている。
関連サイト:
■漫画『脳外科医 竹田くん』(外部リンク)
【関連記事】赤穂市民病院がモデル? 医療事故テーマの漫画が話題
掲載紙面(PDF):
2025年2月8日号(2586号) 1面 (4,269,016byte)
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ウェブ漫画『脳外科医 竹田くん』の作者が発表した声明文の冒頭部分
作者は自身の立場を明かした上で、漫画を制作した動機を、「医療事故が闇に葬られていくプロセスを克明に描くことで、救済を受けることもなく苦しんでいる人々が数多く存在しているという社会問題に目を向けていただきたかった」と語っている。
作者がネットで発表した「声明文」によると、作者は2020年1月22日に赤穂市民病院の脳神経外科手術で発生した医療過誤により、重度の後遺障害を負わされた被害患者の親族。「一連の医療事故や脳神経外科の内情について、当事者や関係者の方々から直接、あるいは間接的に情報を取得することができる立場」にあったという。
声明では漫画を制作した動機について、「一連の医療事故の真相が究明されないまま事件の記憶が風化すれば、また新たな犠牲者が生まれてしまうのではないか、といった強い危機感」「医療事故が闇に葬られていくプロセスを克明に描くことで、救済を受けることもなく苦しんでいる人々が数多く存在しているという社会問題に目を向けていただきたかった」などと説明。「手術に立ち会った医療従事者を含む複数の関係者から長期間にわたる聴き取りを行った内容」を参考にストーリーを進めたという。
また、「読者にわかりやすく伝えるために設定を単純化したり、比喩的表現を用いることはあった」と漫画自体はフィクションであるとした一方、「実際の医療事故を重く見せる目的での誇張や改変、特定の人物を殊更に悪者に仕立て上げるなどといった悪意のある脚色や誇張は一切行っておりません」と核心部分は事実に即した内容であることを強調している。
この漫画は2023年1月からインターネット上で掲載が始まり、同年7月までに142話が発表された。「赤池市」という架空の町の市民病院を舞台に、未熟な手技で立て続けに重大医療事故を起こすフリーの医師「竹田」と適切に監督指導できない上級医や医療安全部門、事故を公表しない病院などを風刺的に描いている。物語の中で描かれている医療事故の概要は、赤穂市民病院で2019年以降発生した医療事故と酷似しており、誰が描いたものなのか明かされてはいなかったものの、読者の間では「漫画のモデルは赤穂市民病院」「作者は内情に詳しい関係者に違いない」と見られていた。
一連の医療事故をめぐっては、神戸地検姫路支部が昨年12月、関わった医師を業務上過失傷害罪で起訴。作者は自らの立場を明かした理由について「さらに漫画に関心が寄せられる中、制作の意図などについて事実と異なる憶測が生じることがないよう、漫画作者としての思いを読者の皆さまにご説明させていただきたいという考えに至りました」と述べた。
作者によると、「発信者情報開示請求」によって昨年7月には氏名と住所が当該医師に開示されたといい、「今後、一連の医療事故に関わった医師から、漫画の表現について刑事告訴や訴訟提起が行われることがあったとしても、堂々と公益性を主張し、粛々と対応してまいりたいと考えております」としている。
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コメント
赤穂市民病院の方なのでしょうか。勇気ある行為に感服致します。
https://ameblo.jp/nagi-sora09/entry-12888827494.html
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投稿:どうぎょうしゃ 2025年03月11日何人のもの人に障害を残してあのコメントはもう有り得ない。
被害者のご家族の気持ちを考えないのだろうか。、
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投稿:どうぎょうしゃ 2025年02月08日加害者の顔は起訴時に報道で出ているけど、それ以外の登場人物のモデルとなった人の顔をあなたは知っているの?関係者?
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投稿:びっくり2への疑問 2025年02月07日
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投稿:びっくりに驚愕… 2025年02月07日傍目八目で書いただけですが。
加害者以外も漫画に名前や顔を激似で描かれ、バカにしたあだ名で登場人物にされた人の立場になってみなよ。こんなの一生消えないんだよ。医療ミスに遭った方を非難しているのではありませんので、「批判」と言う書き方は間違えています。
フィクションとはこの先、訴訟などに備えて保身で発言したのでしょう。
この漫画は当該関係者以外にたくさんの人を傷つけたり退職する気にさせたり、職場の雰囲気を悪くしたり多大な悪影響を及ぼした事には違いない。それらを鑑みても漫画公開の結果は重大だ。これでさらにまた批判をする人は一定数いるでしょうから、匿名掲示板で気の済むまでやればいいと思います。
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投稿:びっくり2 2025年02月07日氏の意見と同感です。
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投稿:酷い「びっくり」事案 2025年02月07日
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投稿:びっくりさんにびっくり 2025年02月06日漫画を初めて読んだ市民病院を知らない方は市民病院の全てが悪と思ってしまうでしょう。
ネタ切れ又は情報入手できなくなって漫画が終わっているのか分かりませんがどうなのでしょうか?世間に晒せたから満足したのでしょうか?
被害に遭われた事は非常に気の毒だと思いますが、医療ミスをした医師以外に市民病院で働いている人やその人の家族が居る事も漫画の作者は忘れてはいけない。
医療ミスをした医師や隠蔽しようと関わった人のやった結果は非常に重大ですが、漫画にして晒した結果も非常に重大だと思います。
誰の味方でもありませんが、公益性とか主張するならきちんと最後まで描けよと思う。
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投稿:びっくり 2025年02月06日退職金をそのままで退職した前院長含め、当事者は無視を貫いている当該市民病院、透析しなかったことで訴訟になっている大阪の病院など無視を続けていることは、個人的にはもっとタチが悪く感じる。
これだけ医療従事者の信頼を貶めたのだから何かしらコメントを出すべきではないでしょうか?
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投稿:どうぎょうしゃ 2025年02月06日
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投稿:あ 2025年02月06日コメントを書く