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コラム【陣太鼓】顔の見える支援の温かさ

 2011年01月15日 
 「伊達直人」を名乗る善意の寄贈が全国各地で相次いだ。赤穂でも「施設に渡して」と警察署に置かれたランドセルが市内の福祉施設に贈られた。“拾得物”扱いとなる可能性もあっただけに、無事に善意が届けられたことを喜んだ人も多いだろう
 ▼贈り先になった新田の「さくらこども学園」は昨年4月に開所した児童養護施設だ。災害や事故、親の病気などで家族による養育が困難な0歳から18歳までが生活している
 ▼備品購入費に限りがあるため、開所当時は絵本、おもちゃなどがほとんどなかった。困った施設が市民に寄贈協力を呼びかけたところ、絵本、三輪車、ぬいぐるみなどが瞬く間に寄せられ、みかん箱一つ分ほどしかなかった玩具は6畳間に入りきらないほどになった
 ▼寄贈はその後も続き、学生服、ピアノなど通算190件になったという。先日も市内で自転車店を経営する男性から自転車5台のプレゼントがあった。中古だが、「子どもたちのために」と整備した男性の真心がこもっている
 ▼下野政嗣施設長は「地域の人たちから『何か困っとうことないか』と声をかけてもらえるようになったのが一番ありがたい」と話す。一方通行ではない、顔の見える支援の温かさがそこにある。
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掲載紙面(PDF):
2011年1月15日(1928号) 1面 (12,023,028byte)
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