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神崎与五郎ゆかりの住居を公開

 2011年06月25日 
価値が惜しまれる田中家住宅
 矢野荘園の商業港として中世以降に栄えた那波浦で代々商家を営んだ田中家(相生市那波本町)が江戸時代に建てた歴史的家屋が競売で人手に渡り、いずれ取り壊される見通しとなった。価値を惜しむ地元の歴史研究グループが所有者の了解を得て7月1日(金)から7日(木)まで一般公開を行う。
 田中家住居は那波港のすぐそばにあり、敷地面積は約1200平方メートル。蔵から弘化3年(1846)の棟札が見つかり、主屋は江戸末期にはすでに建てられていたとみられる。屋根や内装など改造された部分はあるものの、間取りと骨組み部材はほぼ当時のままで、「相生市史」にも江戸期の民家として紹介されている。
 系図などによると、戦国大名・尼子氏の流れを汲む田中家は寛文4年(1664)に当地へ移住。元禄のころから「丸屋」の屋号で廻船問屋を営んだ。農林、窯業などの積み出し拠点として栄えた港一帯は“那波千軒”と呼ばれ、同家はその中心的商家の一つとして存在した。赤穂城明け渡し後に那波に滞在した義士の一人、神崎与五郎は同家の畑を貸りて耕していたといい、それを裏付けるように与五郎直筆の書簡が残っている。
 競売に掛けられることを知った「相生歴史研究会」(月岡定康会長)は昨年10月、「那波港が最も繁栄していた時代の面影を残す貴重な文化財」として、相生市に購入保存の要望書を提出。しかし、市は「文化財は、原則として所有者において管理されるべきもの。活用方法が明らかでない物件に多額の経費を投入することはできない」と回答し、物別れに。月岡会長は「失われる前にせめて公開の機会を」と落札した不動産会社の了解を取り付けた。
 先代主人・弘司さん(故人)の妻宏子さん(68)は「代々守ってきた家屋を手放すことになり、ご先祖に申し訳ない。一人でも多くの人の記憶に留めてもらえれば」と話している。
 一般公開は無料。7日(木)まで毎日午前9時〜11時半で、与五郎の書簡など所蔵品の一部も特別展示する。近隣には、大石内蔵助寄進とされる手水鉢がある豆煎荒神社、神崎与五郎が病にかかった母の眼を洗った「孝行井戸」などの史跡もある。問合せはTEL22・0308(月岡会長)。
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関連サイト:
■田中家の場所(マピオン)


掲載紙面(PDF):
2011年6月25日(1949号) 3面 (9,362,395byte)
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コメント

相生市民ですが、赤穂民報はいつも楽しみにしています。
この記事を読んで、先日この田中家に足を運んでみました。
この家の前はよく通るのですが、当然ですが中に入ったのは初めてで、外から見るよりも中はさらにすごいお宅でした。
まず入って驚くのがとんでもなく太い梁。栗の木だそうで、建設当時のままで、400年くらい経っているとの事。
このお宅の方の説明を聞いていると、なんと相生の市長や市会議員は勉強不足なのかと、つくづく思いました。
まず、秘密の逃げ道や、敵に襲われないようにするための工夫がしてある。何軒か見てきた古民家では見た事がありません。
現在、図書館や那波中学校がある辺りは元々田中家の土地で、戦時中に国に召し上げられ、その後終戦を迎えると田中家には返還されず、相生市のものになってしまったそう。
また、明治時代の飢饉の折には田中家が那波の人達を雇い、自分の山を削らせて那波港周辺の埋め立て工事を行い、その日当として女子供も食べていけるくらいの食料を与え、飢饉から救ったそうです。
今の那波があるのは、田中家のおかげとも言っていいほどの歴史を持ち、田中家の広大な土地を市はタダで手に入れたというのに、市は知らんぷりとは情けない。
今、赤穂、たつの、姫路などでも古民家や昔の町並みを大切にしようという動きがあるのに、相生は時代に逆行している。
しかも、田中家は築400年くらいと、他の古民家よりもずっと古い。(よその古民家は古くてもせいぜい幕末)
壊すのは簡単だが、400年も大事に守ってこられたのには大変なご苦労があったことでしょう。
図書館の隣に民族資料館がありますが、存在すら知らない人もおり、開館時間も短く、展示物は田中家の方が見ごたえがあった。

>活用方法が明らかでない物件に多額の経費を投入することはできない

のであれば、田中家を買い取って、歴史資料館にすればよい。田中家の方が今回の展示品をもし寄贈してくださったなら、建物とあわせて、すばらしい歴史資料館になると考えます。
今の相生には魅力がありません。いくら子育て世代を優遇しても、魅力のない所では永住して頂けません。
今の古民家ブームのうちに、相生市は是非再考を!

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投稿:相生をどげんかせんといかん! 2011年07月11日

 ご指摘ありがとうございます。語句の用法を誤っておりました。ホームページだけでも修正しました。

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投稿:赤穂民報 2011年06月25日

先日信号待ちで停車したとき、家の前がすっきりしていたのでもしかして(?)という気持ちになりましたが残念です。

先代主人の弘司さんは赤穂に住み、勤めておられたこともあり、軸などかなりの文化財も所有しておられるすばらしい旧家と聞いていました。時代の波でしょうか。
我が町赤穂も、近代化を急速に進めた結果、どんどん町屋も姿を消して城下町の面影は求めようもなくなっており、一部観光客の期待を裏切っているとも聞きます。

ところで、この記事の三段目”先代当主”という言い方は誤りです。代々続く名家の主人という意味で使われているようですが、城主などとは違い、”その家の、現在の主人”の意味です。辞書で確認してみてください。

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投稿:赤穂民俗知り隊 2011年06月25日

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