希少な緞通図面を特集展示
2011年09月30日
希少な緞通図面を見ることができる歴史博物館の特集展示
明治7年に商品化された赤穂緞通は落ち着きのある色柄で高級織物として人気を博した。同館によると、最盛期の明治30年には年間約1800枚を産出したが、昭和13年の綿糸統制で原料が入手できなくなり、市内に5〜6軒あった織元はすべて操業停止を余儀なくされた。
数百種類あったとされる文様の図面は散逸したと思われていたが、祖父・新船善平さんが緞通工場を経営していた御崎の岡崎佳世さん(58)が2年ほど前、自宅の2階納戸で図面78点(うち11点は堺緞通)と糸染めに用いた染料などを発見し、このほど市に一括寄贈。市教委の調査で、「椿の丸」「蔓牡丹に鳳凰」など専門家やコレクターの間でも確認されたことのない柄が十数点含まれていることがわかった。
図面は一目2〜5ミリ程度の方眼紙。上下左右が対称な柄の場合は完成形の4分の1だけを描いている。升目に塗られた色は必ずしも糸の色と一致せず、柄の境界を明示するのが目的だったとみられる。一部の方眼紙は手書きで線を引いたものもある。
特集展示では同じ柄を除き、赤穂42点、堺9点の図面と染料、糸を展示。そのうち13点については、「赤穂緞通を伝承する会」(井関京子会長)や収集家などの協力で図面と同柄の緞通が並べて紹介され、実物と図面を見比べることができる。一緒に見つかった染料と糸も展示している。
赤穂緞通は現在、複数のグループが技法の伝承に尽力している。木曽こころ学芸員(37)は「見つかった図面は郷土工芸の復興にも役立つはず」と期待している。
11月6日(日)まで午前9時〜午後5時。水曜休館。入館料は大人200円、小中学生100円。TEL43・4600。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2011年10月1日(1961号) 1面 (8,224,040byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
桃井ミュージアムで能面展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月23日型絵染の人間国宝、没後30年展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月20日バイオリン教室、第13期生募集 鳥井の坂に伝統の音頭響く [ 文化・歴史 ] 2014年01月13日13日に伝統の「曳きとんど」 [ 文化・歴史 ] 2014年01月08日歴史フォーラム「官兵衛と西播磨」 縁起の良い図柄、赤穂緞通展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月07日時代感じる「お正月の民具」展 [ 文化・歴史 ] 2014年01月06日「義士を描いた画家」長安雅山、没後50年 [ 文化・歴史 ] 2013年12月28日郷土色豊か、伝統凧50点 [ 文化・歴史 ] 2013年12月25日長野の「義士踊り」赤穂で奉納 [ 文化・歴史 ] 2013年12月15日赤穂民報・第20回習字紙上展の作品募集 長野「中関義士踊り」14日演舞 「潔いと評判」討ち入り翌日の書簡 [ 文化・歴史 ] 2013年12月12日「四十七士の歌」市民合唱団がCD化 [ 文化・歴史 ] 2013年12月12日
コメントを書く