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美術工房の家族ら5人展

 2012年03月03日 
初めてのファミリー展を開く「凡工房」のみなさん
 世界文化遺産や国文化財の修復も手がける美術工房を家族経営する絵師5人が御崎の「桃井ミュージアム」で3月7日(水)から作品展を開催する。
 「舟丘恵凡とファミリーの絵画展」。恵凡さん(61)は版画家の徳力富吉郎に師事。ジャンルにこだわらない幅広い創作活動を展開し、フランスのサロン・ドートンヌ展、ル・サロン展で入選した経歴を持つ。昭和55年ごろ、自宅がある相生市入野で仏画絵師の妻・美和子さん(59)と「凡(ぼん)工房」を開設した。
 発注主は社寺仏閣が中心。ふすまや天井など装飾画の制作や修繕をはじめ、建造物の復元彩色も請け負う。平成17年には世界文化遺産の厳島神社で五重塔(国重文)の彩色を指導。西日本を中心に数多くの実績を誇り、赤穂では中広の永応寺で前机の彫刻彩色を手がけている。
 現在のスタッフは恵凡さん夫妻と、それぞれ美術の道を選んだ長男・抄迅(しょうじん)さん(31)、長女・小知代(さちよ)さん(27)、たつの市龍野町の日本画家、山本花萌(かも)さん(35)の計5人。それぞれの得意分野を活かして注文に応じている。
 「花萌さんも含めて家族同然に仲良く、遠慮もない」という5人だが、創作に集中するためにアトリエは別々。そのため、「仕事以外の作品はあまり見たことがない」という。工房としての展示会は6年前に一度開いたが、プライベートな作品を持ち寄るのは今回が初めて。
 はがきサイズの小品版画から、ふすま3枚の墨画まで約40点を出品し、購入希望も受け付ける。仕事では描くことのない油絵もあり、まさに“多彩”な展示になりそう。5人は「自分たちにとっても、どんな作品が集まるか楽しみ。気軽に鑑賞してもらえれば」と話している。
 3月19日(月)まで午前10時〜午後4時。13日休館。同ミュージアムTEL56・9933。
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掲載紙面(PDF):
2012年3月3日(1982号) 1面 (10,665,528byte)
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