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茶のしずく石鹸、赤穂の女性も提訴 他に被害者2人

 2012年04月23日 
小麦アレルギーを引き起こしたとされる「茶のしずく石鹸」
 「茶のしずく石鹸」の旧製品による小麦アレルギー発症をめぐり、全国の被害者計535人が20日、化粧品製造販売会社「悠香」(福岡県大野城市)など3社に総額70億円を超える損害賠償を求めた集団訴訟で、赤穂市内の被害者の60代女性も同日、神戸地裁姫路支部へ提訴した。
 同支部には、この女性を含む被害者7人が提訴した。姫路弁護団の訴状などによると、問題の石けんは平成16年3月に発売開始。被害者らは22年9月までの出荷分に含まれていた小麦由来成分「グルパール19S」により小麦アレルギーを発症した。顔のかゆみ・はれ、じんましんのほか呼吸困難や意識喪失に陥る「アナフィラキシー・ショック」を引き起こし、小麦食品を食べられないなどの影響が出ているとし、一人につき1000〜1500万円の賠償を求めている。
 赤穂の女性は平成22年11月、朝食にパンを食べた後、日課の山登りの途中で全身に発疹が出て意識を失った。翌年2月にも、山登りから戻った自宅で意識不明に。いずれのときも近くにいた夫が異常に気付き、搬送先の病院で命を取り留めた。精密検査の結果、女性が18年7月から使っていた同製品が原因と診断された。
 女性は昨年7月に市消費生活センターへ相談。今年2月には弁護団が開いた説明会に参加し、集団訴訟に加わることを決意した。女性は本紙の取材に、「自分だけだと泣き寝入りしていたかも知れない。センターの職員の方が親身に相談に乗ってくれたおかげで支えられた」と話した。
 同センターのまとめでは、旧製品について寄せられた相談はこれまでに16件。石鹸に由来する小麦アレルギーと診断された人が女性の他に2人あったという。姫路弁護団(団長・山崎省吾弁護士)は「今回、間に合わなかった被害者についても追加で提訴する予定」とし、「自分が被害者だと気付いていない人がまだ存在する可能性もある」と調査の必要性を指摘している。
 同センターTEL43・6818(土日祝を除く午前8時半〜午後5時15分)。
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【関連記事】「茶のしずく石鹸」赤穂でも急性アレルギー


掲載紙面(PDF):
2012年4月28日(1989号) 1面 (7,216,921byte)
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