故粟田哲也さんの遺稿集『鉄弥と文芸作品』
2018年09月01日
「この本は主人そのもの」と出来上がった遺作集を見つめる妻の和子さん
美術教諭だった哲也さんは定年後、二科展で入賞したほどの技術があった板金彫刻制作に加え、ライフワークとして季刊同人誌サークル「かぼちゃ畑」に入会。身近な出来事や少年時代の思い出を題材にした私小説、随想をつづり、ほぼ毎号寄稿した。
遺作集は「本を通して、父の人となりを感じてほしい」と家族らが編集した。初投稿の「ただいま、徒食惰眠中につき」から絶筆となった「勘太とめじろ」まで52篇を、同人誌に掲載されたときと同じワープロ打ちの活字と自筆文字のまま2巻に分けて収録。職人との出会いでものづくりの面白さに目覚める「鍋釜の修繕屋と少年」、備前焼作家の父娘との邂逅を描いた「陶芸家 六」などフィクションでありながら実体験をしのばせる作品が多い。
家族によると、2年前にがんで亡くなった哲也さんは闘病中も執筆を続けたという。妻の和子さん(72)は「本人は彫刻と同じくらい書くことも好きでした。この本は主人そのもの。多くの人に読んでもらえれば作者の心も満たされると思います」と話している。
遺作集は「その一」(B5判133ページ)と「その二」(同115ページ)があり、いずれも赤穂市立図書館で読むことができる。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年9月1日(2291号) 3面 (9,207,979byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
日展5年連続入選 書家の清水まみさん [ 文化・歴史 ] 2018年10月27日絢爛勇壮に東西屋台が競演 塩屋の秋祭り [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日頭人行列に獅子舞、神輿 伝統の「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日5年に一度の大ホールで学校音楽会 坂越生まれ日本画家・後藤仁氏の特別展開幕 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日画業35周年 故郷で里帰り展 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日神輿乗せ和船が巡航「坂越の船祭」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月14日「日本遺産にふさわしい美観を」坂越で清掃ウォーク 歴代藩主らの具足 細密に描写 [ 文化・歴史 ] 2018年10月13日秦氏の史跡探訪ツアー30人募集 土味多彩400点「日々の器」展 [ 文化・歴史 ] 2018年10月11日東櫓台と西中門 発掘で規模や構造明らかに [ 文化・歴史 ] 2018年10月10日ユニークで多彩な絵マップ53作品 ル・ポン国際音楽祭が開幕 珠玉の音色響く [ 文化・歴史 ] 2018年10月07日塩屋公民館コーラスサークルが結成30年
コメントを書く