「塩のまち播州赤穂」日本遺産に認定
2019年05月20日
復元塩田施設がある「塩の国」で「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」の日本遺産認定を喜ぶ市関係者
赤穂市関係の日本遺産は昨年度に関係自治体とともに追加認定された「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間―北前船寄港地・船主集落」に続いて2件目で、赤穂市単独では初めて。
赤穂は、雨が少なく温暖な気候と塩田に適した遠浅の干潟などの好条件が重なり、弥生時代終末期(約1800年前)から沿岸部での塩づくりが始まった。江戸時代には潮の干満差を利用した入浜塩田が開発され、質・量とも日本有数の塩産地に。その製塩技術は瀬戸内海沿岸を中心に各地へ伝えられた。方法は時代とともに移り変わりながらも、赤穂における塩の生産量は現在も国内の約2割を占める。
市内には製塩用具、旧塩務局庁舎の他にも、塩田地主が造営した「田淵氏庭園」(国名勝)、塩田の防潮堤や取水施設、日本の近代製塩史上貴重な文書類など、塩づくりに関連する文化財が数多く残る。製塩作業に従事した浜男たちの作業唄「赤穂浜鋤き唄」(市無形民俗文化財)は保存会によって伝承され、塩田で働く女性らの副業として織られた赤穂緞通は日本三緞通の一つに数えられる。東浜塩田跡地の赤穂海浜公園内の「塩の国」は各時代の塩田施設が復元。江戸末期に考案されたという塩味まんじゅうは地元銘菓として名高い。
赤穂市は昨年度も「瀬戸内海の『白い宝石』・塩〜潮を煮て業とした塩の国 播州赤穂〜」と題したストーリーで日本遺産認定を申請したが認定には至らなかった。そこで、「歴史文化基本構想」を基にストーリーを見直し。「専業経営と持続可能な製塩法としての入浜塩田が完成された最初の地」(市教委)としての位置付けを強調したことが功を奏した。
牟礼正稔市長は「今回の認定を市民のみなさんと一緒に喜びたい。現在進めている塩回廊構想の整備を加速させるなど地域活性化につなげたい」と抱負。江戸後期の蘭学者・司馬江漢が赤穂を訪れた際の日記に記した「赤穂の塩は日本第一」の文言からタイトルを考案した小野真一・市史編さん担当課長(56)は「赤穂の塩が歴史上、どのような評価をされてきたのかアピールしたかった」と意図を話し、中田宗伯・文化財担当課長(53)は「赤穂市を代表する歴史文化は何かと考えたときに『塩』は外せない。日本遺産に認定されてよかった」と喜びを語った。
日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもので2020年度までに100件程度の認定を予定している。今年度は全国72件の申請のうち16件が認定され、15年に制度が創設されてからの通算認定件数は83件となった。
* * *
「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」の日本遺産認定には各方面から喜びの声が上がった。
後に国有形民俗文化財に指定される製塩用具を収集した日本塩業研究の第一人者、故廣山堯道氏の長男・謙介氏=甲南大学教授=は「日本遺産はインバウンドを増やすことが目的。外国人も興味を持つような観光ルートを工夫して活性化に役立ててほしい」と期待した。
赤穂観光協会の田淵新悟会長は「忠臣蔵と並ぶ赤穂の歴史遺産の価値に箔がついた」と喜んだ。塩を運ぶ高瀬舟が行き来した水路を探訪するイベントなど、「あまり知られていない遺構にも目を向け、新たな観光事業の開発にも取り組みたい」と話した。
塩味まんじゅうメーカーなどでつくる赤穂土産物組合の三島弘之組合長は「塩味饅頭の伝統を守りつつ、さらに発展させていきたい」と抱負。播州赤穂塩ラーメン組合の井上裕令組合長は「赤穂の塩のブランドへの信用がさらに高まる。これを追い風に、より一層盛り上げていきたい」と意欲を見せた。
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2019年5月25日号(2326号) 1面 (11,961,567byte)
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[ 文化・歴史 ]
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コメント
日本第一というのがとても良いですね
しかし
何で忠臣蔵は登録できないのか?
よく分からない
有名すぎる?
鎌倉や四国のお遍路はなってるのに
なぜだかいまだに分からないです
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投稿:市民 2019年05月31日コメントを書く