卵の殻が美しいアート作品に
2020年03月05日
卵の殻を美しく染め付けたピサンキと飯野夏実さん
ピサンキは東欧のウクライナに伝わるろうけつ染め工芸。小さな穴を開けて中身を取り出した卵の殻に蜜蝋で線画を描き、染料に浸す。薄い色から順に工程を重ねることで、さまざまな色で動物や花、幾何学模様といった模様を描く。模様それぞれに「幸福」「永遠」など象徴的な意味があり、キリストの復活を祝うイースターエッグとして作られるほか、お祝いやお供えなどにも使われるという。
久田さんが2月にオープンした赤穂緞通工房ギャラリーのイベントとして開催。交流のある埼玉県富士見市の工芸作家、飯野夏実さん(36)を講師に招き、想定よりも多くの申し込みがあったため、広い部屋のある自宅に会場を移して実施した。
飯野さんは15歳でピサンキに出会い、制作歴は20年以上。ウクライナを取材してピサンキの歴史や制作手順などを紹介する小冊子を出版するなど、日本における草分け的存在として知られる。この日は初心者向けの幾何学模様で講習。キセルのような形をした「キストカ」という特殊な道具をろうそくの火であぶり、ペン先から溶け出る蜜蝋で卵殻の表面に線画を描き入れた。染料で染め付けた殻を火であぶってペーパータオルで磨くと、再び溶けた蜜蝋がふき取られて模様がくっきりと現れ、参加者から歓声が上がった。
松原町の中谷多加子さんは「きれいに模様を描くのが難しかったですが、どんな出来上がりになるのかワクワクして楽しめました」。参加者らは「自宅の玄関に飾りたい」などと話し、作品が壊れないように大切に持ち帰った。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年3月7日号(2362号) 4面 (7,494,482byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂緞通の工房ギャラリー開設 [ 文化・歴史 ] 2020年02月21日美術家連合会展 5部門26人出品 [ 文化・歴史 ] 2020年02月19日赤穂美術協会 21日から小品展 [ 文化・歴史 ] 2020年02月19日樫本大進さん4月赤穂公演中止に [ 文化・歴史 ] 2020年02月18日北前船寄港地7市町 日本遺産シンポ22日 市ジュニアバンド 16日に第1回定演 特別支援学級のふれあい作品展 坂越出身の久保さん 赤穂ハイツで水彩画展 [ 文化・歴史 ] 2020年02月12日50周年境に「新生文化協会へ」 [ 文化・歴史 ] 2020年02月10日秦氏ゆかり史跡探訪会 20人募集 忠臣蔵ファンの箏奏者 赤穂で万感ライブ [ 文化・歴史 ] 2020年02月08日年一度の定期演奏会へオペレッタ稽古 塩のまち赤穂ハイク 16日開催 市文化協会 9日に50周年式典 義士ゆかり熊本藩士偲ぶ顕彰碑完成 [ 文化・歴史 ] 2020年02月04日
コメントを書く