故西山松之助氏 生誕110年記念で特別展
2023年01月25日
赤穂市名誉市民で江戸文化や家元制研究の第一人者だった故西山松之助氏の生誕110年を記念した特別展が御崎の赤穂市立美術工芸館田淵記念館で開催中。自筆の原稿やスケッチ画、遺品など約150点を展示している。
松之助氏は1912年に東有年で雑貨商を営む家に生まれ、姫路師範学校、東京文理科大学などで学んだ。教職を経て研究者の道へ進み、芸道の「家元」「家元制度」に関する研究を端緒に江戸時代の文化史を横断的に体系化した「江戸学」を確立。92年に名誉市民に表彰された。2012年1月に99歳で亡くなり、昨年には姫路文学館で没後10年展が開かれた。
今展では、受勲した記章や表彰状、同氏が故郷の民俗を思い出とともに記した著書『しぶらの里』に収録されたスケッチの原画など遺族から赤穂市に寄贈された遺品をはじめ、個人蔵の資料を公開。調査研究が高じてライフワークとなった自作の茶杓は「千世の色」「快風」など一つ一つ銘があり、材料の入手経緯や銘にちなんだ絵を添えた茶杓記とセットで展示しており興味深い。また、松之助氏の姪にあたる小西治代さん(79)=加里屋中洲=が松之助氏から譲り受けた茶杓などに蒔絵を施した15点も並ぶ。
20日には次男の高暉(たかあき)さん(78)=東京都文京区=と小西さんが会場を訪れた。高暉さんは「父は一つのことにのめり込む性格。茶杓の材料となる竹をうれしそうに持ち帰っていた姿を思い出す。おかげで自宅は竹だらけでした」と回顧し、「このように立派に展示していただき、ありがたい」と感謝を述べた。小西さんは「有年の彼岸花の写真を送ったら、とても喜ばれました。いつまでも故郷への愛着があったのだと思う」と偲んだ。
特別展は2月27日(月)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。火曜休館。入館料300円(小・中学生150円)。図録(A4判72ページ)は900円で同館で販売。Tel42・0520。
掲載紙面(PDF):
2023年1月28日号(2493号) 1面 (10,074,557byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
故西山松之助氏の生誕110年を記念した特別展を観覧する=右から=次男の西山高暉さんと姪の小西治代さん
松之助氏は1912年に東有年で雑貨商を営む家に生まれ、姫路師範学校、東京文理科大学などで学んだ。教職を経て研究者の道へ進み、芸道の「家元」「家元制度」に関する研究を端緒に江戸時代の文化史を横断的に体系化した「江戸学」を確立。92年に名誉市民に表彰された。2012年1月に99歳で亡くなり、昨年には姫路文学館で没後10年展が開かれた。
今展では、受勲した記章や表彰状、同氏が故郷の民俗を思い出とともに記した著書『しぶらの里』に収録されたスケッチの原画など遺族から赤穂市に寄贈された遺品をはじめ、個人蔵の資料を公開。調査研究が高じてライフワークとなった自作の茶杓は「千世の色」「快風」など一つ一つ銘があり、材料の入手経緯や銘にちなんだ絵を添えた茶杓記とセットで展示しており興味深い。また、松之助氏の姪にあたる小西治代さん(79)=加里屋中洲=が松之助氏から譲り受けた茶杓などに蒔絵を施した15点も並ぶ。
20日には次男の高暉(たかあき)さん(78)=東京都文京区=と小西さんが会場を訪れた。高暉さんは「父は一つのことにのめり込む性格。茶杓の材料となる竹をうれしそうに持ち帰っていた姿を思い出す。おかげで自宅は竹だらけでした」と回顧し、「このように立派に展示していただき、ありがたい」と感謝を述べた。小西さんは「有年の彼岸花の写真を送ったら、とても喜ばれました。いつまでも故郷への愛着があったのだと思う」と偲んだ。
特別展は2月27日(月)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。火曜休館。入館料300円(小・中学生150円)。図録(A4判72ページ)は900円で同館で販売。Tel42・0520。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2023年1月28日号(2493号) 1面 (10,074,557byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
伝統の婚礼再現「坂越の嫁入り」 [ 文化・歴史 ] 2023年11月05日「映画会社やテレビ局はなぜ『忠臣蔵』を作らなくなったのか」春日太一氏講演 第62回赤穂市民文化祭 短歌・俳句入賞作 [ 文化・歴史 ] 2023年11月03日管楽合奏コン全国大会へ赤穂西中吹奏楽部 夏の雪辱果たす [ 文化・歴史 ] 2023年10月30日塩屋荒神社で秋祭り 東西の大屋台が勇壮に練り [ 文化・歴史 ] 2023年10月22日絵マップコンクール「ありがとう作品展示会」 幻の「藤緞通」復元 糸作りから自ら 丹後・上世屋で技術学ぶ [ 文化・歴史 ] 2023年10月21日「2023赤穂市美術展」が開幕 絵画、書など268点 [ 文化・歴史 ] 2023年10月19日2023年度文化・スポーツ賞 受賞者決定=赤穂市 頭人行列に獅子舞 尾崎・赤穂八幡宮「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2023年10月15日獅子舞存続 児童らが議論「未来に残すべき」 平田オリザ氏講演 先着300人募集 地域連携フォーラム 「坂越の船祭」男衆ら活気 4年ぶり獅子舞も [ 文化・歴史 ] 2023年10月08日子どもの笑顔でほっこり 福浦の山脇五都子さん水彩画展 [ 文化・歴史 ] 2023年10月08日「工房マップ作って」伝統工芸作家ら42人が要望 [ 文化・歴史 ] 2023年10月07日
コメントを書く