亡祖父の思い受け継ぎ唐獅子絵馬奉納
2024年10月19日
亡祖父が52年前に奉納した絵馬を後世に継承しようと、東有年の農業、平尾年正さん(64)と会社員の弟秀行さん(62)が東有年八幡神社に唐獅子の絵馬をこのほど奉納した。
平尾さんの祖父、故清吉さんは1972年10月、当時古希を迎えたのにあたり、「70歳になっても健康で、毎日元気で働くことができるのは、氏神様のおかげ。お礼に神に仕える唐獅子の立派な絵馬を奉納しよう」と、交友のあった高雄在住の画家、杉本白象(1898―不詳)に作画を頼み、雌雄の唐獅子を描いた1対の絵馬を奉納した。当時小学6年生だった年正さんは、奉納を伝える新聞記事を読む清吉さんの満足そうな表情を覚えているという。清吉さんは1990年に86歳で亡くなった。
絵馬は拝殿正面の高い位置に掲げられていたが、昨年11月に向かって左側の1枚が落下して破損。天井の雨漏りで腐食した留め金具が外れたものとみられる。このことを知った年正さんら兄弟が「じいさんが奉納した絵馬。片方だけにしておくのはしのびない」と作り直して再び奉納することを決め、相生市若狭野町入野の絵師、舟丘恵凡さん(73)に制作を依頼した。
新たに完成した絵馬は従来と同じ縦約2メートル、横約1・4メートルの大きさ。枠の部分は元の絵馬のものを再利用した。
「絵馬が一対に戻ってよかった。じいさんも喜んでくれていると思う」と年正さん。清吉さんは用務員として勤めた有年中にも白象の絵画を寄贈するなど地域思いだったといい、秀行さんは「地域の縁を大事にせえよ、というじいちゃんからのメッセージを受け取った気がする」と祖父を偲んだ。
掲載紙面(PDF):
2024年10月19日号(2572号) 2面 (8,834,273byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
亡祖父の思いを引き継いで唐獅子の絵馬を奉納した平尾年正さん(左)と秀行さん兄弟
平尾さんの祖父、故清吉さんは1972年10月、当時古希を迎えたのにあたり、「70歳になっても健康で、毎日元気で働くことができるのは、氏神様のおかげ。お礼に神に仕える唐獅子の立派な絵馬を奉納しよう」と、交友のあった高雄在住の画家、杉本白象(1898―不詳)に作画を頼み、雌雄の唐獅子を描いた1対の絵馬を奉納した。当時小学6年生だった年正さんは、奉納を伝える新聞記事を読む清吉さんの満足そうな表情を覚えているという。清吉さんは1990年に86歳で亡くなった。
絵馬は拝殿正面の高い位置に掲げられていたが、昨年11月に向かって左側の1枚が落下して破損。天井の雨漏りで腐食した留め金具が外れたものとみられる。このことを知った年正さんら兄弟が「じいさんが奉納した絵馬。片方だけにしておくのはしのびない」と作り直して再び奉納することを決め、相生市若狭野町入野の絵師、舟丘恵凡さん(73)に制作を依頼した。
新たに完成した絵馬は従来と同じ縦約2メートル、横約1・4メートルの大きさ。枠の部分は元の絵馬のものを再利用した。
「絵馬が一対に戻ってよかった。じいさんも喜んでくれていると思う」と年正さん。清吉さんは用務員として勤めた有年中にも白象の絵画を寄贈するなど地域思いだったといい、秀行さんは「地域の縁を大事にせえよ、というじいちゃんからのメッセージを受け取った気がする」と祖父を偲んだ。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2024年10月19日号(2572号) 2面 (8,834,273byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
貴重な鉄道写真を地元に寄贈へ [ 文化・歴史 ] 2020年11月10日力作ぞろい15作品 絵マップ公募展 表情さまざま「赤穂富士」水彩画展 [ 文化・歴史 ] 2020年11月07日「秋」テーマにフラワーアレンジ [ 文化・歴史 ] 2020年11月06日神田の収穫米を脱穀 園児らも手伝い 第59回赤穂市民文化祭 俳句・短歌入賞者 [ 文化・歴史 ] 2020年11月01日討ち入りへの経緯克明 義士自筆の覚書 [ 文化・歴史 ] 2020年10月31日創作人形で「懐かしい昭和」渡部美智子展 [ 文化・歴史 ] 2020年10月30日2020年度文化・スポーツ賞 受賞者決定 能楽の祖ゆかりの大避神社で奉納上演 [ 文化・歴史 ] 2020年10月27日日展 書の部門で赤穂から2人入選 [ 文化・歴史 ] 2020年10月27日絵葉書で回顧 明治〜戦前の赤穂 [ 文化・歴史 ] 2020年10月26日クイズと講話で地元の歴史に興味 大正初期の八幡宮祭礼 絵葉書が現存 [ 文化・歴史 ] 2020年10月24日旧東洋紡赤穂工場の写真を冊子に [ 文化・歴史 ] 2020年10月10日
コメントを書く