閑谷学校が生んだ偉人・武元兄弟展
2010年03月21日
吉永町が生んだ偉人、武元君立・登々庵ゆかりの品々が並ぶ企画展
武元登々庵(1767−1818)と君立(1770−1820)は吉永町で代々大庄屋を務める家柄の長男・二男に生まれた。ともに幼くして“神童”といわれ、少年期には村内で講釈人を任されるほどの秀才として注目された。
登々庵は、後に「寛政の三博士」といわれる柴野栗山に師事。諸国漫遊で芸術的感性と才能を磨いて「明石流」という書の一派を創始し、漢詩の手引書といえる「古詩韻範」を刊行した。君立は現代の東京大学に相当する昌平坂学問所へ遊学し、病弱だった兄に代わって家督を継承。農民学者として自身の考えをまとめた「勧農策」を著すなど藩政改革を訴え、文化10年(1813)に閑谷学校の教授に迎えられた。
君立は5年後に脱藩し、京都で亡き兄の私塾を受け継いだ。閑谷で教鞭をとった期間は長くはなかったが、学校内に造営した茶室「黄葉亭」に多くの客人を招き、兄とともに頼春水・山陽親子、浦上春琴など当代一流の文化人らと活発に交流した。
記録によると、赤穂からも門人の小(織)田徳郷、谷習甫、北川思誠が君立を訪ねている。また、君立は京から帰郷の途中、折方の門人宅で客死し、浄専寺に葬られた。
企画展では、武元兄弟の書画、著作のほか頼山陽の山水画、儒学者・菅茶山の和歌短冊など約110点を展示。君立と登々庵の詩書を並べて貼り合わせた掛け軸は墨跡から2人の人柄がうかがえるようで興味深い。
同館は「山深い閑谷に咲いた“文化の華”の様相を感じてもらえれば」と来館を呼びかけている。
4月26日(月)まで午前9時〜午後4時半。火曜休館。入館料は大人200円、子供100円。Tel0869・72・9026。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2010年3月27日(1889号) 3面 (8,479,410byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
連鶴で十二支シリーズ 6年かけ完成 [ 文化・歴史 ] 2021年01月03日昔ながら「塩の国の塩」新発売 瓦の下に「幻の陶土」雲火焼の完全復元目指す [ 文化・歴史 ] 2021年01月01日尾崎ゆかりの日本遺産マップ設置 [ 文化・歴史 ] 2020年12月19日子ども描いた「お菓子の家」 パティシエが実現 300年語り継がれる「打ち首の三義人」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月12日創志学園MB部 赤穂の2人も全国大会へ [ 文化・歴史 ] 2020年12月05日ネットで忠臣蔵浮世絵 デジタル展覧会 [ 文化・歴史 ] 2020年12月04日坂越の船渡御祭保存会に「ともしびの賞」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日布に染料で絵や紋様「染絵」作品展 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日「黒猫」忠臣蔵絵本 11年ぶり増刷 [ 文化・歴史 ] 2020年12月01日ル・ポン音楽祭 アーカイブ動画を公開 [ 文化・歴史 ] 2020年11月30日「能楽の祖」の墓前で謡曲奉納 [ 文化・歴史 ] 2020年11月29日昭和の大嘗祭 92年前の道具見つかる [ 文化・歴史 ] 2020年11月21日日本遺産ガイド養成講座 30人募集
コメントを書く