収蔵の埴輪片を宮内庁が調査
2013年03月28日
宮内庁による記録調査が行われた有年考古館収蔵の埴輪片
ニサンザイ古墳は大山古墳(仁徳陵)など巨大古墳が集まる百舌鳥古墳群の東端にある前方後円墳。皇族が埋葬された可能性のある陵墓参考地として同庁が墳丘を管理している。2月には周濠から橋脚跡とみられる柱穴が見つかったことが発表され、話題になった。
埴輪片は円筒埴輪の破片4点と形象埴輪の破片1点の計5点。形状などから約1500年前の古墳中期後半(5世紀後半)に作られたと推定でき、市教委の山中良平学芸員(25)によると、「古墳の築造年代を特定する上で大変重要な遺物」という。
同考古館創設者の松岡秀夫氏(1904−85)が昭和27年に「東百舌鳥陵墓参考地」で採取したとの記録があるが、具体的な採取場所は不明。一昨年、考古館が遺族から市へ寄贈されたのに伴い、市の収蔵品になった。
調査は同庁が今夏に発行する報告書の情報収集のために行われ、書陵部陵墓課陵墓調査室の横田真吾研究官(32)が寸法を測り、拓本を取った。円筒埴輪の直径は「30センチから35センチぐらい」と推測できた。表面についた刷毛の跡、「突帯」と呼ばれる装飾の間隔などがニサンザイ古墳で出土した別の埴輪と類似しており、同古墳の遺物に矛盾しないことがわかった。
埴輪片は同考古館で常設展示中。横田研究官は「埴輪の破片としては比較的大きく、情報が得られやすい。これからも大切に保管してほしい」と話していた。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2013年3月30日(2032号) 3面 (9,243,537byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
刷毛の跡までリアルに 埴輪ミニチュア [ 文化・歴史 ] 2024年07月12日赤穂ゆかりの作家中心に40点「未公開収蔵品展」 [ 文化・歴史 ] 2024年07月01日秋祭りの御神米 子どもたちが「お田植え」 コンセル・ヌーボ第40回定期演奏会 16日にハーモニーH 元赤穂書道会長の故新家一夫さん回顧展 [ 文化・歴史 ] 2024年06月03日会員の力作40点 赤穂美術協会展 31日から [ 文化・歴史 ] 2024年05月27日「水のある風景」テーマに写真展 [ 文化・歴史 ] 2024年05月26日心癒やすメロディ 引きこもり男性が作ったピアノ曲 [ 文化・歴史 ] 2024年05月20日絵マップコン記念誌 20年の記録と記憶一冊に 赤穂駅2階で「キャンバスの会」ウインドギャラリー展 [ 文化・歴史 ] 2024年05月12日引きこもりから前進 友人の支えで曲完成 [ 文化・歴史 ] 2024年05月11日工芸と写真、日本画 喜寿記念で三人展 [ 文化・歴史 ] 2024年05月11日赤穂民報主催・第41回習字紙上展の出品規定 日本遺産認定祝い北前船の絵馬奉納 [ 文化・歴史 ] 2024年04月06日日本画家の故室井澄氏を偲び画塾生らが作品展 [ 文化・歴史 ] 2024年03月23日
コメントを書く