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加里屋川に絶滅危惧種の川藻

 2013年03月30日 
川西さん(右)が加里屋川で生息を確認した絶滅危惧種のカワモズク
 赤穂市中心部を流れる二級河川・加里屋川で絶滅危惧種の淡水藻類、カワモズク類が生息していることがわかった。淡水生物に詳しい歯科医師の川西浩陽さん(54)=加里屋、赤穂市立海洋科学館運営協力委員長=が24日、生物調査中に見つけた。同川では昨年12月から19年ぶりに河川改修工事が再開。カワモズク類が見つかった場所も工事対象区間になっている。
 カワモズク類は湧水の周辺に生息する紅藻類。晩秋から早春にかけて石や農業用水路のコンクリート壁に着生する。県内では上郡町、篠山市などに分布が限られ、県のレッドリストに選定されている。
 生息が確認されたのは、やなぎ公園の近くにかかる柳橋から上流側約20メートルの区間。大小さまざまな川底の石に着生し、長さ3〜5センチほどの緑色や茶色の藻を伸ばしている。県の調査で現場には護岸から地下水が流入していることがわかっている。
 川西さんは十数年前から同川で初夏の時期に自然観察。県が平成22年に実施した環境調査は4月と8月だった。いずれもカワモズクの着生時期からずれていたため、確認されなかったのだろう。
 昨年12月に再開された同川の改修工事は国道250号から南約1・0キロ区間を4つの工区に分け、護岸の老朽度が著しいところから順次着工する計画。予定通り進めば、柳橋付近の護岸改修は、「おおむね8〜10年後となる見通し」だ。
 「あんなに多くのカワモズクが群生しているのは珍しく貴重。ぜひ残してほしい」と川西さん。県光都土木事務所は「地下水の透水性に配慮した材料を使い、施工時は動植物だけでなく河床の土砂も一旦別の場所に移植して護岸設置後に元の場所に戻すなど、環境保全には最大限の配慮をしている。現時点では計画通り進めたい」とし、「今年度の工事が完了した後、河川環境をモニタリングし、さらなる改善が必要であれば、次年度の工事で改良を検討していきたい」としている。
 県土木のまとめでは、同川で生息が確認された絶滅危惧種は14種類になった。
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掲載紙面(PDF):
2013年3月30日(2032号) 3面 (9,243,537byte)
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