池田時代の侍屋敷跡が出土
2014年03月06日
池田時代の侍屋敷跡など貴重な調査成果があった赤穂城下町跡発掘現場
絵図などの資料との照合で、浅野家の前に赤穂を治めた池田家時代の侍屋敷跡と判明した。この時期の侍屋敷の遺構が見つかった事例は「極めて少なく、当時の侍屋敷や武士の生活の様子を知る上で非常に重要な成果」(市教委)だという。市教委は一般向けの現地説明会を3月8日(土)に行う。
調査地は「赤穂あけぼの幼稚園」の敷地内で、赤穂カトリック教会の聖堂があった場所。聖堂を解体して園舎に建て替える工事に伴い、市教委が今年1月から発掘調査を行っている。
発表によると、現在の地表面から約30〜60センチ下の遺構面で、幕末から明治にかけて設置されたものと考えられる上水道の素焼き土管約15メートル分、会所枡を検出。明治前期の製作とみられる備前焼の狛犬も見つかった。さらに掘り進めると、17世紀初頭から18世紀前半までの柱穴や礎石、溝などが現れ、その時代に使われた陶磁器、銅銭なども出土した。
史料によれば、調査地には侍屋敷が池田時代には2軒、浅野時代には4軒存在。18世紀後半の絵図では侍屋敷に代わって天神宮が建ち、上水道が敷かれていたことがわかっている。明治末期に森家の祖先を祀る赤穂神社が移転。昭和24年に同神社が大石神社へ合祀された後、赤穂カトリック教会が建物を購入し、聖堂に増改築した。
今回の調査で見つかった狛犬は赤穂神社に設置されていたものとみられる。池田・浅野時代の土坑からは貝殻や獣骨も出土し、当時の武士の食生活を知る手がかりになるという。また、聖堂を解体する際に行った建造物調査では最も古いもので天保年間の瓦を回収。当時の藩主・森家の家紋「鶴丸文」があしらわれており、赤穂神社の前身で赤穂城内にあった「三霊祠」の瓦を再利用していることがわかった。
現地説明会は午前10時半からで見学自由。小雨決行。現地には駐車場がなく、市教委は「赤穂城西側駐車場を利用するか、徒歩で来場してほしい」と呼び掛けている。市教委文化財係TEL43・6962。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2014年3月15日・第2部(2079号) 1面 (4,236,108byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
連鶴で十二支シリーズ 6年かけ完成 [ 文化・歴史 ] 2021年01月03日昔ながら「塩の国の塩」新発売 瓦の下に「幻の陶土」雲火焼の完全復元目指す [ 文化・歴史 ] 2021年01月01日尾崎ゆかりの日本遺産マップ設置 [ 文化・歴史 ] 2020年12月19日子ども描いた「お菓子の家」 パティシエが実現 300年語り継がれる「打ち首の三義人」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月12日創志学園MB部 赤穂の2人も全国大会へ [ 文化・歴史 ] 2020年12月05日ネットで忠臣蔵浮世絵 デジタル展覧会 [ 文化・歴史 ] 2020年12月04日坂越の船渡御祭保存会に「ともしびの賞」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日布に染料で絵や紋様「染絵」作品展 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日「黒猫」忠臣蔵絵本 11年ぶり増刷 [ 文化・歴史 ] 2020年12月01日ル・ポン音楽祭 アーカイブ動画を公開 [ 文化・歴史 ] 2020年11月30日「能楽の祖」の墓前で謡曲奉納 [ 文化・歴史 ] 2020年11月29日昭和の大嘗祭 92年前の道具見つかる [ 文化・歴史 ] 2020年11月21日日本遺産ガイド養成講座 30人募集
コメント
0 0
投稿:歴史の町 2014年03月08日コメントを書く