写真で伝える上郡の自然と人の輝き
2015年05月27日
地元の風景や人物にこだわって撮り続ける西田裕明さんの作品が並ぶギャラリー
相生市若狭野町の西田裕明さん(33)が、ここ10年間で撮りためたカラー作品の中から上郡町内で撮影した写真を選び出し、ワイド四つ切〜全紙で約30点を展示。身近にありながら見落としがちなふるさとの魅力を独自の視点で切り取った作品の数々が目を引く。
町内の四季を写した4枚組み「春夏秋冬」は色彩の美しさが見事。緑の稲に水滴がついた「朝露」は早朝の清涼を感じさせる。道なき道を登って山上から集落を写した「5月の行頭」はまるで空撮のよう。地域のお年寄りたちのポートレートは撮影者との信頼があればこその表情が見て取れる。
赤穂高出身で大学時代はプロの写真家を目指して月刊誌などに写真や記事を出稿していた西田さん。卒業後に帰郷してからもフリーとして首都圏で仕事を続けたが、地元の自然と人との出会いを重ねるうちに「本当に大切なものは自分の身近なところにあるのではないか」と地元に根を下ろした。
現在は赤穂特別支援学校で教諭として勤務するかたわら、休日にカメラと三脚を持って被写体を探す。相生、赤穂、上郡の2市1町にこだわり、納得の一枚が撮れるまで5年間通い続けたスポットもあるという。
「写真を見て、上郡町のことが少しでも好きになってくれたらうれしい」と西田さん。会場を訪れた上郡町奥の松田正則さん(63)は「毎日犬の散歩で通る所がとても素敵な写真になっていて驚きました」と作品に見入っていた。
会場は酒蔵を改装したギャラリー。落ち着いた雰囲気の中でじっくりと作品を鑑賞できる。西田さんと同じ写真サークルに所属するオーナーの西脇洋子さん(72)は「彼のやさしい人柄がにじむ作品ばかり。ぜひ見に来てください」と来場を呼び掛けている。
県自然保護指導員でもある西田さんの昆虫や植物のネイチャー写真十数点も。6月7日(日)まで午前10時〜午後4時。月曜と火曜は休み。Tel52・6502。
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掲載紙面(PDF):
2015年5月30日(2137号) 1面 (10,503,669byte)
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