平安時代の疫病除けおまじない
2020年07月22日
平安時代末ごろのものとみられる疫病除けの呪符木簡
呪符木簡は1993年に有年原・田中遺跡で出土。長さ50センチほどの薄いヒノキの板に墨で呪文を書いたものだという。墨はほとんど見えなくなっているが、市教委の調査で、「天の神様に強くお願いします。急いで疫病を鎮めてください」と意味する文字が書かれていることがわかった。
札にはひもを結び付ける切り欠きがあり、地面にさせるように先端がとがらせてあることから、疫病除けのまじないとして、家の門や入り口にくくりつけ、庭先に刺すなどして使ったとみられるという。「今も昔も、疫病や感染症は人々の悩みの種ということ」と山中良平学芸員。「当時の人々の考え方がよくわかる貴重な資料」と話している。
山中学芸員によると、土に埋もれた木簡は微生物によって分解されるが、川や井戸の跡といった地下水が豊富な場所では酸素がなく微生物が活動できないため、腐らずに残ることがある。呪符木簡も井戸跡から見つかった。また、海沿いで標高の低い赤穂城下町は豊富に海水と地下水があり、木簡が多く見つかる全国的にも珍しい遺跡だという。
企画展「木簡−荷札からみた江戸時代の赤穂−」は赤穂城跡と赤穂城下町跡から出土した木簡を中心に展示。赤穂義士や赤穂浅野藩家臣の名が書かれたものも紹介されている。9月22日(火・祝)まで午前10時〜午後4時(火曜休館、祝日は翌日に振替)。入館無料。Tel49・3488。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年8月1日号(2380号) 4面 (8,631,834byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
ミュージカルで児童虐待防止訴え 故大上三穂子さん 川柳仲間が遺句集 [ 文化・歴史 ] 2021年02月26日大樋焼、源氏枠など雛人形展 [ 文化・歴史 ] 2021年02月25日写真コンクール入賞・入選100回達成 [ 文化・歴史 ] 2021年02月23日田淵記念館で特別展「平田家の人々」 [ 文化・歴史 ] 2021年02月21日美術家連合会展 19日からハーモニーH [ 文化・歴史 ] 2021年02月15日第34回赤穂民報習字紙上展の入賞者 つまずいた石掘ると…江戸期の地蔵仏出土 姫路市美術展 9人が入賞・入選 [ 文化・歴史 ] 2021年02月03日平田オリザさん講演「文化はまちづくりの必須アイテム」 [ 文化・歴史 ] 2021年01月24日地元ゆかりの楽曲で街並みPV [ 文化・歴史 ] 2021年01月23日山鹿素行の教え「いろは」で親しんで [ 文化・歴史 ] 2021年01月19日「キャンバスの会」23日までロビー展 [ 文化・歴史 ] 2021年01月18日全国絵マップコンで文科大臣賞 上方浮世絵師が描いた忠臣蔵 [ 文化・歴史 ] 2021年01月15日
コメントを書く