緞通に魅せられ 作家目指して移住
2022年05月22日
今春デザイン系専門学校を卒業した女性が、赤穂緞通の織り手になることを目標に、生まれ育った九州から単身赤穂に移住。作家を目指して新生活をスタートした。
大分県中津市出身の廣津真由(まゆ)さん(26)は卒業後の進路について考えていた昨年10月、インターネットで赤穂緞通の存在を知った。専門学校で学んだデザインの知識と技術を活かして「手先を使うものづくりの仕事に就きたい」と思っていた廣津さん。さらにネットで調べ、新田で「弥生工房」を開設している根来節子さん(71)=古浜町=に見学と制作体験を申し込んだ。
初めて見た赤穂緞通に「落ち着きの中に華やかさがあって、肌触りが良くて、ずっと触っていたくなる」とたちまち魅せられ、その場で弟子入りを志願。根来さんから「親御さんとよく話し合ってから決めてね」と諭されたが決意は変わらず、親の承諾も得て今年4月に引っ越した。
現在は弥生工房に週6日通い、小型織機で小物を織りながら赤穂緞通の基本的な製作技法を根来さんから教わっている。糸を手ではせて織り進め、握りばさみで丹念に糸を摘んで仕上げる工程はとても根気のいる作業。廃れかかっていた技法を赤穂市教育委員会が1991年から開いた赤穂緞通織方講習会で根来さんらが伝承し、次の時代へ受け継がれたものだ。
廣津さんは「作業の大変さを実感しています」と言いながらも「受け継がれてきた伝統に関われている毎日がとても楽しい」と喜びに満ちた表情を見せる。師匠の根来さんからは2年間で一人前になる目標を与えられた。「2年後には自分の工房を開けるように頑張る。伝統的な文様に自分のデザインを混ぜ合わせたオリジナル柄の作品もつくってみたい」と思い描く。
掲載紙面(PDF):
2022年5月21日号(2462号) 4面 (8,115,688byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂緞通作家を目指して根来節子さん(左)に今春弟子入りした廣津真由さん
大分県中津市出身の廣津真由(まゆ)さん(26)は卒業後の進路について考えていた昨年10月、インターネットで赤穂緞通の存在を知った。専門学校で学んだデザインの知識と技術を活かして「手先を使うものづくりの仕事に就きたい」と思っていた廣津さん。さらにネットで調べ、新田で「弥生工房」を開設している根来節子さん(71)=古浜町=に見学と制作体験を申し込んだ。
初めて見た赤穂緞通に「落ち着きの中に華やかさがあって、肌触りが良くて、ずっと触っていたくなる」とたちまち魅せられ、その場で弟子入りを志願。根来さんから「親御さんとよく話し合ってから決めてね」と諭されたが決意は変わらず、親の承諾も得て今年4月に引っ越した。
現在は弥生工房に週6日通い、小型織機で小物を織りながら赤穂緞通の基本的な製作技法を根来さんから教わっている。糸を手ではせて織り進め、握りばさみで丹念に糸を摘んで仕上げる工程はとても根気のいる作業。廃れかかっていた技法を赤穂市教育委員会が1991年から開いた赤穂緞通織方講習会で根来さんらが伝承し、次の時代へ受け継がれたものだ。
廣津さんは「作業の大変さを実感しています」と言いながらも「受け継がれてきた伝統に関われている毎日がとても楽しい」と喜びに満ちた表情を見せる。師匠の根来さんからは2年間で一人前になる目標を与えられた。「2年後には自分の工房を開けるように頑張る。伝統的な文様に自分のデザインを混ぜ合わせたオリジナル柄の作品もつくってみたい」と思い描く。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年5月21日号(2462号) 4面 (8,115,688byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
NHKフォトコン入賞 カレンダー採用 [ 文化・歴史 ] 2021年11月12日女性だけの絵画展 第37回女・女・女展 [ 文化・歴史 ] 2021年11月09日国天然記念物の生島で10年ぶり植生調査 塩屋の清水まみさん 日展会友推挙へ [ 文化・歴史 ] 2021年11月08日船渡御祭保存会に文科相から地域文化功労者表彰 [ 文化・歴史 ] 2021年11月06日自然風景写真の愛好家ら作品展 [ 文化・歴史 ] 2021年11月05日盆栽や花を販売「花と緑にふれあう祭り」 絵マップコンクールに力作55点 色づき始めた木々の中 唱歌コンサート [ 文化・歴史 ] 2021年11月01日2021年度文化・スポーツ賞 受賞者決定 「坂越の船祭」祭礼船の劣化防止に海水 [ 文化・歴史 ] 2021年10月31日雲火焼創出の大嶋黄谷 生誕200年展 [ 文化・歴史 ] 2021年10月30日MOA児童作品展 30・31日に開催 塩屋で保存会が屋台飾り付け 伝統継承 [ 文化・歴史 ] 2021年10月24日2年ぶり赤穂市美術展 7部門352点 [ 文化・歴史 ] 2021年10月22日
コメントを書く