牟礼市政2期目スタート 公約語る
2023年01月21日
2期目がスタートした牟礼市政。公約や抱負について話を聞いた。
――今回の選挙公約は。
「基本的には4年前と大きくは変わっていない。目新しいところはほとんどないが、やはり4年前に考えた公約が赤穂市にとって必要なことだったと改めて感じている」
――子育て支援を主要な公約として挙げている。
「現在訪問または通所で実施している産後ケアを宿泊型まで拡充したい。また、不妊治療を拡充したい。学校給食費は早期に完全無償化を実現したい」
――給食費無償化の財源は。
「生活保護世帯等は元々給食を無償で提供しているため、実質必要な財源はふるさとづくり寄付金、ネーミングライツ、丸山海岸の駐車場収入などの自主財源の拡充により対応していきたい」
――「地域医療体制の充実」は市民病院の財政再建、医師の確保が重要だ。
「市民病院の医療水準は充実していると言えるが、診療科によっては医師が不足気味なところもある。引き続き大学病院等へ働きかけ、兵庫県からの支援を受けて確保していきたい。昨年オープンした県立はりま姫路総合医療センターからの派遣協力もお願いしていく。中央病院とも連携して救急医療体制を確保していく」
――経営再建の見通しは。
「乗り切れるように頑張っていくしかない。今の診療体制を維持していくためには、一般会計からの一定の繰り出しは仕方がない」
――医療事故により日本脳神経外科学会から訓練施設認定を停止されている。また、医療過誤患者との訴訟も続いている。
「どちらも早期解決に向けて努めるとしか言えない。裁判が長引くことは患者にとっても病院にとっても益はない」
――「公共交通の充実」として「コミュニティバス・路線バス等の増便」を公約している。
「JRの駅を発着するコミュニティバスや路線バスを増便することで鉄道の利用者も増えるんじゃないかと思っている。昨年に近畿運輸局と締結したサポートプラン協定で作成する公共交通計画に沿って具体化していく。JRは岡山方面の減便が発表されたが、子どもたちが通学で利用している便でもあり、復活を要望していきたい。JRの利用促進についても引き続き取り組む」
――観光振興について。
「あこう魅力発信基地(DMO)を中心にモニタリングツアーを積極的に実施して観光振興につなげたい。移住・定住促進としては、2つ目のお試し暮らし住宅を市北部エリアに開設したい。御崎から坂越にかけて海岸沿いの観光道路は県と連携して樹木を管理して見晴らしと安全性を確保する。そのために必要な地籍測量にすでに取りかかっている」
――農業・漁業の振興について。
「田端・上浜市の圃場整備は着手した。新田地区についても圃場整備に向けて地元と協力して最終調整に入っている」
――1期目の公約に「赤穂インター周辺の産業基盤整備」があったが、どうなったのか。
「市としては、将来的に産業基盤整備を進める地域との位置付けはしている。企業誘致としては、千鳥地区などに工業系の未利用地があり、県に相談したら『まず、そちらを活用してください』という話だった。特定の場所にこだわらず、幅広く誘致していきたい」
――新たな公約として「脱炭素都市の実現」が加わった。具体的な取り組みは?
「市としては電灯のLED化をはじめ省エネルギーに取り組む。下水管理センターの消化ガス発電は2024年度から実行できる予定。再生エネルギーの活用を企業とも協調してやっていきたい」
――企業に目標値を設定して協力を呼びかける考えは?
「そこまでは至っていない。各事業所の取り組みを情報共有した上で、国などの動きを見ながら赤穂市としての取り組みを練り上げていく」
――障害福祉の充実について。
「重症心身障害者児の受け入れ施設に対する補助制度を設けたい。もう一つは農福連携による障がい者雇用の支援。人手不足の農家と仕事を求めている障がい者のマッチングを実施したい」
――安全安心なまちづくりについて。
「河川や山などの防災整備を国や県に要望していく。防災訓練などソフト面の対策を進める」
――社会基盤の整備について。
「国道2号相生有年道路の4車線化は赤穂市側の工事が本格化する。国道2号へのアクセスとなる県道赤穂佐伯線、高雄有年横尾線の整備も進む。高取峠は交通安全対策。また、2月に大型商業施設がオープンする細野町周辺の交通対策も必要になる可能性がある」
――産廃処分場建設計画への対応は。
「断固反対。周辺の市町と連携協調して、阻止に取り組んでいく」
――赤穂市の財政は厳しい。
「財政状況が厳しい中、今後の大型事業の実施を見据え節度ある財政運営に努め、実質公債費比率や将来負担比率といった財政指標は少しだが改善している。基金も少し積みますことができた。ふるさとづくり寄付金の順調な伸び、ネーミングライツの増収、企業版赤穂ふるさとづくり寄付金も導入した。今後も自主財源の確保に努めていく」
――4年前の市長就任時と今を比べて、赤穂市政で最も変わった点は何か。
「市民目線で今何をすべきか、職員が一生懸命考えてくれるようになった。市民のために頑張る意欲が高まったと思う」
――2期目をどのように位置付けているか。
「1期目は職員の不祥事で始まり、翌年からはコロナ禍。それでも自分としては充実した4年間だった。実現できなかった公約もあるが、学校給食センターの建て替え、ふるさと寄付金の大幅な増収など、職員が頑張ってくれたおかげで推進できた。次の4年間は、さらに職員とのコミュニケーションを深め、1期目にやり残したことを達成、実現していきたい」
――政党や団体に推薦や支持を求めなかった。
「一切のしがらみを持たず、市政に取り組んでいく」
――出馬表明で「4年後に次の方にバトンタッチできればと考えている」との発言があった。
「次の4年間を全力で頑張るという意欲を表した」
掲載紙面(PDF):
2023年1月21日号(2492号) 2面 (4,011,788byte)
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牟礼正稔市長の公約(1期目と2期目の比較)
――今回の選挙公約は。
「基本的には4年前と大きくは変わっていない。目新しいところはほとんどないが、やはり4年前に考えた公約が赤穂市にとって必要なことだったと改めて感じている」
――子育て支援を主要な公約として挙げている。
「現在訪問または通所で実施している産後ケアを宿泊型まで拡充したい。また、不妊治療を拡充したい。学校給食費は早期に完全無償化を実現したい」
――給食費無償化の財源は。
「生活保護世帯等は元々給食を無償で提供しているため、実質必要な財源はふるさとづくり寄付金、ネーミングライツ、丸山海岸の駐車場収入などの自主財源の拡充により対応していきたい」
――「地域医療体制の充実」は市民病院の財政再建、医師の確保が重要だ。
「市民病院の医療水準は充実していると言えるが、診療科によっては医師が不足気味なところもある。引き続き大学病院等へ働きかけ、兵庫県からの支援を受けて確保していきたい。昨年オープンした県立はりま姫路総合医療センターからの派遣協力もお願いしていく。中央病院とも連携して救急医療体制を確保していく」
――経営再建の見通しは。
「乗り切れるように頑張っていくしかない。今の診療体制を維持していくためには、一般会計からの一定の繰り出しは仕方がない」
――医療事故により日本脳神経外科学会から訓練施設認定を停止されている。また、医療過誤患者との訴訟も続いている。
「どちらも早期解決に向けて努めるとしか言えない。裁判が長引くことは患者にとっても病院にとっても益はない」
――「公共交通の充実」として「コミュニティバス・路線バス等の増便」を公約している。
「JRの駅を発着するコミュニティバスや路線バスを増便することで鉄道の利用者も増えるんじゃないかと思っている。昨年に近畿運輸局と締結したサポートプラン協定で作成する公共交通計画に沿って具体化していく。JRは岡山方面の減便が発表されたが、子どもたちが通学で利用している便でもあり、復活を要望していきたい。JRの利用促進についても引き続き取り組む」
――観光振興について。
「あこう魅力発信基地(DMO)を中心にモニタリングツアーを積極的に実施して観光振興につなげたい。移住・定住促進としては、2つ目のお試し暮らし住宅を市北部エリアに開設したい。御崎から坂越にかけて海岸沿いの観光道路は県と連携して樹木を管理して見晴らしと安全性を確保する。そのために必要な地籍測量にすでに取りかかっている」
――農業・漁業の振興について。
「田端・上浜市の圃場整備は着手した。新田地区についても圃場整備に向けて地元と協力して最終調整に入っている」
――1期目の公約に「赤穂インター周辺の産業基盤整備」があったが、どうなったのか。
「市としては、将来的に産業基盤整備を進める地域との位置付けはしている。企業誘致としては、千鳥地区などに工業系の未利用地があり、県に相談したら『まず、そちらを活用してください』という話だった。特定の場所にこだわらず、幅広く誘致していきたい」
――新たな公約として「脱炭素都市の実現」が加わった。具体的な取り組みは?
「市としては電灯のLED化をはじめ省エネルギーに取り組む。下水管理センターの消化ガス発電は2024年度から実行できる予定。再生エネルギーの活用を企業とも協調してやっていきたい」
――企業に目標値を設定して協力を呼びかける考えは?
「そこまでは至っていない。各事業所の取り組みを情報共有した上で、国などの動きを見ながら赤穂市としての取り組みを練り上げていく」
――障害福祉の充実について。
「重症心身障害者児の受け入れ施設に対する補助制度を設けたい。もう一つは農福連携による障がい者雇用の支援。人手不足の農家と仕事を求めている障がい者のマッチングを実施したい」
――安全安心なまちづくりについて。
「河川や山などの防災整備を国や県に要望していく。防災訓練などソフト面の対策を進める」
――社会基盤の整備について。
「国道2号相生有年道路の4車線化は赤穂市側の工事が本格化する。国道2号へのアクセスとなる県道赤穂佐伯線、高雄有年横尾線の整備も進む。高取峠は交通安全対策。また、2月に大型商業施設がオープンする細野町周辺の交通対策も必要になる可能性がある」
――産廃処分場建設計画への対応は。
「断固反対。周辺の市町と連携協調して、阻止に取り組んでいく」
――赤穂市の財政は厳しい。
「財政状況が厳しい中、今後の大型事業の実施を見据え節度ある財政運営に努め、実質公債費比率や将来負担比率といった財政指標は少しだが改善している。基金も少し積みますことができた。ふるさとづくり寄付金の順調な伸び、ネーミングライツの増収、企業版赤穂ふるさとづくり寄付金も導入した。今後も自主財源の確保に努めていく」
――4年前の市長就任時と今を比べて、赤穂市政で最も変わった点は何か。
「市民目線で今何をすべきか、職員が一生懸命考えてくれるようになった。市民のために頑張る意欲が高まったと思う」
――2期目をどのように位置付けているか。
「1期目は職員の不祥事で始まり、翌年からはコロナ禍。それでも自分としては充実した4年間だった。実現できなかった公約もあるが、学校給食センターの建て替え、ふるさと寄付金の大幅な増収など、職員が頑張ってくれたおかげで推進できた。次の4年間は、さらに職員とのコミュニケーションを深め、1期目にやり残したことを達成、実現していきたい」
――政党や団体に推薦や支持を求めなかった。
「一切のしがらみを持たず、市政に取り組んでいく」
――出馬表明で「4年後に次の方にバトンタッチできればと考えている」との発言があった。
「次の4年間を全力で頑張るという意欲を表した」
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掲載紙面(PDF):
2023年1月21日号(2492号) 2面 (4,011,788byte)
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投稿:1ロウガイ 2023年02月08日9 5
投稿:かず 2023年01月24日コメントを書く