県文化財の大黒舞に待望後継者
2016年01月01日
大黒舞の後継者として期待が集まる小川剛さん
七福神の恵比寿と大黒天に扮した舞手が締太鼓の拍子に合わせて歌い手と掛け合う伝統芸能で、昭和43年に地元有志が保存会を結成。4年後に県無形民俗文化財に指定され、平成21年には文部科学大臣から保存会へ地域文化功労者賞が贈られた。大黒舞と恵比寿舞のそれぞれ3人一組が原則だが、前会長の久田利昭さんが亡くなって以降は大黒舞の継承者が2人だけという状況が続いていた。
そんな中、保存会に加わったのが南宮町の会社員、小川剛さん(25)だ。尾崎小時代に学校のクラブ活動で大黒舞を教わった経験があり、将来の夢に「大黒舞の舞手になること」と答えるほど愛着をもった。大学卒業後に県外で就職して一旦は夢をあきらめたが、2年前に地元の会社に転職。「これで腰を据えて練習できる」とすぐさま入会した。
尾崎公民館で週1回ある稽古に休まず参加し、久田明生さん(49)と頭巾喜和さん(47)の先輩から指導を受けた。唄の歌詞はすべて記憶に残っており、振付の基本的な動作は体が覚えていたという。デビューが決まってからは、「観客からの見え方」を意識した練習を心掛けてきた。
元日は午後に訪問する瀬戸内ホームで出番を任される。「お客さんに福を授ける気持ちで舞うことが一番の上達につながる」と山本会長。小川さんは「100年後も存続できているかどうかは僕らの世代次第だと思う。見てくれた人が興味を持ってもらえるように一生懸命頑張ります」と熱い思いを持っている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2016年1月1日・第2部(2168号) 1面 (15,741,623byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
上方浮世絵師が描いた忠臣蔵 [ 文化・歴史 ] 2021年01月15日連鶴で十二支シリーズ 6年かけ完成 [ 文化・歴史 ] 2021年01月03日昔ながら「塩の国の塩」新発売 瓦の下に「幻の陶土」雲火焼の完全復元目指す [ 文化・歴史 ] 2021年01月01日尾崎ゆかりの日本遺産マップ設置 [ 文化・歴史 ] 2020年12月19日子ども描いた「お菓子の家」 パティシエが実現 300年語り継がれる「打ち首の三義人」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月12日創志学園MB部 赤穂の2人も全国大会へ [ 文化・歴史 ] 2020年12月05日ネットで忠臣蔵浮世絵 デジタル展覧会 [ 文化・歴史 ] 2020年12月04日坂越の船渡御祭保存会に「ともしびの賞」 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日布に染料で絵や紋様「染絵」作品展 [ 文化・歴史 ] 2020年12月02日「黒猫」忠臣蔵絵本 11年ぶり増刷 [ 文化・歴史 ] 2020年12月01日ル・ポン音楽祭 アーカイブ動画を公開 [ 文化・歴史 ] 2020年11月30日「能楽の祖」の墓前で謡曲奉納 [ 文化・歴史 ] 2020年11月29日昭和の大嘗祭 92年前の道具見つかる [ 文化・歴史 ] 2020年11月21日
コメントを書く