相生産高機械科 銅鏡復元に成功
2020年03月30日
三角縁神獣鏡の複製に成功した相生産高機械科3年のみなさん。手前は実物
同館所蔵の三角縁神獣鏡(直径22・2センチ)は上郡町西野山3号墳で1951年に出土。市教委によると、約1700年前の古墳時代前期末(4世紀後半)に作られたとみられ、近年の研究では中国の魏の皇帝が卑弥呼に与えた青銅鏡のうちの一枚とする説が有力となっている。
複製は同館との共同プロジェクトとして企画され、まず同館が実物を基にシリコン製の凹型を製作。同校が凹型から樹脂製のレプリカを作り、さらに鋳込みに使う砂型を製造した。
銅65%、錫30%、鉛5%で配合した最初の鋳造では、砂型から取り出した鏡がバラバラに破砕。国宝の青銅器復元を手掛ける京都の金工作家、小泉武寛(ぶかん)氏(74)から「錫24%以上での成功例はない」との助言で割合を変更した。その後も研磨段階の失敗を繰り返したものの、6回目でついに復元に成功した。
経年劣化で黒く変色した実物に対し、完成した複製品は銅鏡本来の輝きを見せ、研磨した鏡面は滑らかにものを映す。
同校機械科では2014年度から竹下邦彦教諭(58)の指導で3年生の選択授業の一つに「青銅器復元」を導入。昨年度は上高野銅鐸鋳型片から復元した銅鐸レプリカと別名遺跡出土銅剣の複製品を赤穂市へ寄贈した。
実習に参加した6人のうちの一人、田中祐雅さん(18)は中3のとき、同校のミニ銅鏡製作体験に参加したことがきっかけでものづくりに興味を持ち、同校へ進学したという。4月からは鋳造を専門とする企業への就職が決まり、「失敗を成功につなげられた今回の経験を仕事でも活かしたい」と意欲を話した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年4月4日号(2366号) 4面 (7,259,384byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
「手仕事の流儀」赤穂の女匠ら意見交換 古民具に命ふたたび リメイク展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月09日9日から市美術協会の第30回小品展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月05日風土が生んだ美「民芸運動の作家」展 [ 文化・歴史 ] 2018年11月03日東欧・トルコ水彩画展 大津の橋本正史さん [ 文化・歴史 ] 2018年11月03日「あこう路地さんぽ」参加者を募集 市民文化祭 短歌・俳句の入賞者 [ 文化・歴史 ] 2018年11月01日日展5年連続入選 書家の清水まみさん [ 文化・歴史 ] 2018年10月27日絢爛勇壮に東西屋台が競演 塩屋の秋祭り [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日頭人行列に獅子舞、神輿 伝統の「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月21日5年に一度の大ホールで学校音楽会 坂越生まれ日本画家・後藤仁氏の特別展開幕 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日画業35周年 故郷で里帰り展 [ 文化・歴史 ] 2018年10月20日神輿乗せ和船が巡航「坂越の船祭」 [ 文化・歴史 ] 2018年10月14日「日本遺産にふさわしい美観を」坂越で清掃ウォーク
コメントを書く