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“郷土の宝”有年考古館が公立で再開

 2011年11月05日 
 赤穂市指定文化財を含む貴重な資料を多数所蔵し、今年5月に民間から市に寄贈された「有年考古館」が公立施設としてリニューアル。11月11日(金)に開館式が行われる。
 同館は、眼科医のかたわら地域の考古調査に尽くした郷土史家、松岡秀夫氏(1904―85)が「郷土の文化財は郷土に置かんとあかん」と昭和25年10月に開設した。当初はヤギ小屋を改築しただけだったが木造瓦葺き2階建てを増築。西野山3号墳(上郡町)で発掘した「三角縁神獣鏡」をはじめ旧赤穂郡内の出土遺物を中心に2300点以上もの資料を収蔵し、専門家の間では「考古学を志す者なら一度は訪れておくべき聖地」とも言われてきた。運営団体のメンバーが高齢化して維持管理が難しくなったことから、土地と建物、全収蔵品を一括して市に寄贈。松岡氏の業績が公的に受け継がれることになった。
 リニューアルオープンへ向けた改修工事は7月から行われた。床の段差を解消してバリアフリー化。建物北側に新築した軽量鉄骨2階建て倉庫へ収蔵品を移し、空いたスペースを展示室や学習室に改装した。駐車場も5台分整備した。これまでは見学に予約が必要だったが、今後は開館時間中なら自由に入館できる。
 「誰でも気軽に文化財に親しめる場を」という創設者の遺志にならい、入館料は従来通り無料。宮崎素一館長は「未公開の遺物も数多く、今後は定期的に展示替えを行う予定。体験イベントなども企画し、子どもから大人まで楽しめる考古館を目指したい」としている。
 11日は午後1時の一般公開に先立ち、午前10時から開館式。地元の子どもたちによる踊り、和太鼓演奏などでオープニングを祝う。
 なお、開館記念特別展として「松岡秀夫と有年考古館の歩み−地域とともに−」を来年1月9日(月)まで開催。収蔵文化財のほか、松岡氏が愛用した発掘道具類も展示される。午前10時〜午後4時(受付は午後3時半まで)。火曜休館。TEL49・3488。その他の開館記念行事は次のとおり。
〔記念講演会〕
 ▽11月20日(日)午後2時=「松岡秀夫先生と有年考古館」兵庫県立考古館館長・石野博信氏
 ▽12月10日(土)午後2時=「松岡秀夫先生と播磨の古代史」財団法人大阪府文化財センター理事長・水野正好氏
〔史跡探訪会〕
 ▽12月4日(日)=「有年考古館周辺の史跡を訪ね歩く〜有年原〜」午前10時、有年原・田中遺跡公園に集合
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掲載紙面(PDF):
2011年11月5日(1965号) 4面 (10,369,336byte)
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