赤穂緞通と雲火焼 工房ガイド完成
2025年01月24日
兵庫県伝統的工芸品に指定されている陶芸と織物の見学可能な工房を紹介する「赤穂雲火焼&赤穂緞通 工房ガイド」が完成した。
作家たちの要望を受け、赤穂市がデジタルパンフレットを制作し、作家らが自費で冊子1万部を印刷。「郷土が誇る伝統工芸の魅力を広めるのに役立てたい」としている。
赤穂雲火焼は、江戸後期に大嶋黄谷(1821―1904)が創出し、「幻のやきもの」と呼ばれた雲火焼を御崎の桃井香子さん(81)と塩屋の長棟州彦さん(77)が復元した。明治前期に児島なか(1823―1903)が商品化した赤穂緞通は戦争に伴う綿糸統制で衰退して消滅の危機に瀕したが、1991年に赤穂市教育委員会が開いた技法講習会の受講生を中心に技術が継承された。赤穂雲火焼は1994年、赤穂緞通は2007年に兵庫県伝統的工芸品の指定を受けた。
関係者によると、赤穂緞通の工房は市内外に約20軒あるが、ほとんどは作家個人が自宅で運営しており、行政も正確な情報を把握することが困難だった。「赤穂雲火焼とともに赤穂緞通も世に広めたい」との思いから、長棟さんの長男で自身も赤穂雲火焼作家の光亮さん(51)が発起人となり、工房ガイドの制作を提案。各工房の賛同署名を受けた市が要望に応えた。
完成した工房ガイドはA4判8ページで、見学可能な工房や施設12か所を掲載。電話番号や駐車場の有無、体験の可否といった基本情報をはじめ、それぞれの工房の作品画像や特色、思いも紹介している。デジタル版は赤穂市のホームページで閲覧でき、冊子は各工房が活用するほか、5000部を市に寄贈し、観光PRに役立てる。
光亮さんは「工房ガイドの完成を機に工房同士の連携も図り、郷土工芸の普及振興につながれば」と期待を込めた。
掲載紙面(PDF):
2025年1月25日号(2584号) 1面 (5,803,816byte)
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作家たちの要望を受けて完成した「赤穂雲火焼&赤穂緞通 工房ガイド」
作家たちの要望を受け、赤穂市がデジタルパンフレットを制作し、作家らが自費で冊子1万部を印刷。「郷土が誇る伝統工芸の魅力を広めるのに役立てたい」としている。
赤穂雲火焼は、江戸後期に大嶋黄谷(1821―1904)が創出し、「幻のやきもの」と呼ばれた雲火焼を御崎の桃井香子さん(81)と塩屋の長棟州彦さん(77)が復元した。明治前期に児島なか(1823―1903)が商品化した赤穂緞通は戦争に伴う綿糸統制で衰退して消滅の危機に瀕したが、1991年に赤穂市教育委員会が開いた技法講習会の受講生を中心に技術が継承された。赤穂雲火焼は1994年、赤穂緞通は2007年に兵庫県伝統的工芸品の指定を受けた。
関係者によると、赤穂緞通の工房は市内外に約20軒あるが、ほとんどは作家個人が自宅で運営しており、行政も正確な情報を把握することが困難だった。「赤穂雲火焼とともに赤穂緞通も世に広めたい」との思いから、長棟さんの長男で自身も赤穂雲火焼作家の光亮さん(51)が発起人となり、工房ガイドの制作を提案。各工房の賛同署名を受けた市が要望に応えた。
完成した工房ガイドはA4判8ページで、見学可能な工房や施設12か所を掲載。電話番号や駐車場の有無、体験の可否といった基本情報をはじめ、それぞれの工房の作品画像や特色、思いも紹介している。デジタル版は赤穂市のホームページで閲覧でき、冊子は各工房が活用するほか、5000部を市に寄贈し、観光PRに役立てる。
光亮さんは「工房ガイドの完成を機に工房同士の連携も図り、郷土工芸の普及振興につながれば」と期待を込めた。
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2025年1月25日号(2584号) 1面 (5,803,816byte)
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