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赤穂の昔話・第18話「灰の縄ない」(上)

 2020年09月12日 
 
 江戸時代のお話です。今の西有年のあたりを治めていた代官は、大へん欲の深い人でした。ぜいたくなくらしをしていながら、百姓には
 「米を食べるな。絹の着物をきるな。髪の油も使うな」
といって倹約を命じ、すこしでもたくさんの米を年貢に出すようにいいつけました。
 それでもまだ足りないと思った代官は、
 「働けなくなった年寄りを養うことほど無駄なことはない。これから六十歳以上になったものは、みんな山へ捨ててこい」
というおふれを出しました。
 生みの親を山へ捨てろとは大変なことです。村中の人が、泣いて代官の仕打ちをうらみました。でも、どうしようもありません。泣きながら、年老いた親を背負ったり、手を引いたりしながら、横山にあった姥捨て山に連れていきました。
 ところが、この村に人一倍親孝行な若者がいました。
 「なんぼお代官さまの命令でも、これだけは聞けぬ」
 若者は床下に穴を掘り、そこに年老いた父親をかくまうことにしたのです。夜になると、そっと畳をあげて、穴におり、父親にご飯を食べさせてあげたり、肩をたたいてあげたりしていました。
 老人を山に捨てさせた悪代官は、それでも満足しません。こんどは
 「灰で縄をなって、さしだせ。それができない者は、年貢を倍にする」
というおふれを出しました。
 灰で縄をなえる道理がありません。それを承知で無理難題をふきかけ、倍の年貢を取りあげようという魂胆でした。
 またまた、村中が大さわぎになりました。灰で縄をなうなんて、とてもできそうにありません。そうかといって、倍の年貢をさしだせる余裕もありません。村人は思案にくれていました。
 孝行者の若者も困ってしまいました。夜になるのを待って、父親に相談することにしました。若者から相談を受けた父親は、ニッコリと笑って、いいました。(つづく)
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掲載紙面(PDF):
2020年9月12日号(2385号) 2面 (5,990,280byte)
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